自分だけのもの

 

 

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時間は買えません。例えば、素敵な時間はもちろんのこと、とてもつらく最悪な時間でさえも誰かに売ってしまうことはもちろん、最悪な時間でさえも買いたいと思ってもどこにも売っていないし、誰かに譲ってもらうことはできないのです。平等に与えられたこの一瞬一瞬の積み重ねの時間は、ただ、刻々と前へ進み、今は過去に未来は今へと流れ動いているという事実が変わらずにあるということ。そこには、ただ私たちがその時間に向き合う方法だけは選べるという余白は残されているのかもしれません。あっという間に過ぎていく一瞬として目の前の時間を通り過ぎゆかせるのか、それとも、流れていく時間をしっかりと自分全部で感じて噛みしめ、過去になっていく時間を紡ぎあげていくのか。そのほかにもたくさんの時間との向き合い方があるのかも。善き時も悪き時も、その時間は自分だけのもの、それをすべてひっくるめた、それが自分だけのスペシャルで愛おしい財産ということです。